Googleスライドで文字間隔の調整はできる?できない?代替手法とおすすめフォント活用法


Googleスライドで文字と文字と文字の間隔を広げることはできる?



PowerPointにある文字間隔の調整はGoogleスライドでも可能?



行間じゃなくて文字同士の間の調整方法があるか知りたい
本記事では、上記の悩みをを解決します。Googleスライドの現状を解説するとともに、直接調整できない場合に活用できる実践的な代替テクニックをいくつかご紹介します。
ぜひ最後までご覧ください!
1. Googleスライドの現状:文字間隔調整ができない(2025年2月現在)
現状の仕様:
2025年2月現在、残念ながらGoogleスライドでは直接「文字間隔」「カーニング」「レタースペーシング」を調整する機能は実装されていません。フォント、色、サイズ、行間の調整は可能ですが、各文字間のスペースを個別に設定する機能は提供されていません。



PowerPointやCanvaなど他のスライド作成ツールでは採用されているこの機能ですが、Googleスライドでは利用できないのは少し残念ですね。
Googleスライドはリアルタイムのコラボレーションやシンプルで直感的な操作性を重視して設計されているため、高度なタイポグラフィ調整機能は二の次というのが実情のようです。
一方で、CanvaやPowerPointは、クリエイティブなデザイン制作を前提にしているため、細かいカーニング調整や文字間隔の変更が可能となっています。これらのツールは、デザインのディテールにこだわるユーザー向けに、より豊富なタイポグラフィ設定を提供しているのです。


補足:Googleスライドの設計思想
- シンプルなユーザーインターフェースと高速な動作:
Googleスライドは、ブラウザ上で軽快に動作し、多人数で同時編集が可能なことを重視しています。そのため、複雑なデザインオプションを排除し、基本的なフォント、サイズ、色、行間などの調整に留めることで、ユーザーの負担を軽減しています。- 一貫したコラボレーション体験:
リアルタイムでの共同編集や自動保存、クラウドとの連携をスムーズに行えるよう、シンプルで安定した機能構成が採用されています。高度な文字間隔調整機能は、個々のユーザーが自由にカスタマイズできる分、編集内容の一貫性が損なわれる可能性もあり、共同作業の障壁となる恐れがあります。- ターゲットユーザーのニーズ:
Googleスライドは、ビジネスや教育現場での迅速なプレゼンテーション作成を目的としているため、細かいデザイン調整よりも、情報伝達のスピードや共同作業の効率性を重視していると言えます。つまり、よりビジネスに特化しているというよりは、全体としてシンプルで使いやすいツールにするための設計方針の一環として、文字間隔調整機能が省かれていると考えられます。
まとめると、Googleスライドが文字間隔の調整機能を提供していないのは、主に「シンプルさ」「高速な共同作業」「一貫したユーザー体験」を重視した設計思想によるものであり、技術的に劣るからという理由ではありません。
このように、Googleスライドは使いやすさと共同作業の効率を最優先しているため、細かいデザイン調整機能が限定的となっており、必要に応じて他ツールとの連携や代替策の検討が求められる設計となっています。
2. そもそも文字間隔とは?なぜ調整する必要があるのか
文字間隔(レタースペーシング)とは、各文字の間隔を意図的に調整する技術であり、文章全体の印象、可読性、さらにはデザインのバランスを最適化するために用いられます。
デザイン上の効果
- 印象の変化
文字間隔を狭くすると、テキストは力強く、コンパクトな印象を与えます。一方、広めに設定すると、エレガントで洗練された印象に仕上がります。例えば、雑誌の見出しや高級ブランドのロゴは、あえて広めの文字間隔を用いることで視覚的な余裕と高級感を演出しており、ブランドイメージの確立に寄与しています。
可読性の向上
- 読みやすさの改善
適切な文字間隔は、テキストの読解速度を約7~10%向上させる効果があるとする研究結果があります。これは、文字が詰まりすぎず適度な余白を持つことで、視認性が高まり、目の負担が軽減されるためです。
Larger, Wider, and Capitalized Text Outperformed Smaller, Narrow, and Lowercase Text(大きく、幅が広く、大文字のテキストは、小さく、幅が狭く、小文字のテキストよりもパフォーマンスが優れている)
※参考:Nielsen Norman Groupの研究(Typography for Glanceable Reading: Bigger Is Better)
差別化と独自性の演出
- 他と差別化するための工夫
他の資料と差別化を図るため、デザイナーは文字間隔を意図的に調整し、閲覧者の感性に訴える独自のデザインを追求することがあります。例えば、特定のキャッチコピーやスローガンにおいて、通常とは異なる文字間隔を採用することで、視覚的インパクトや記憶に残るデザイン効果を狙います。このような戦略は、プレゼンテーション資料や広告、ブランドのアイデンティティ確立において非常に有効です。
Googleスライドでの代替手段
残念ながら、Googleスライド自体には直接的な文字間隔(カーニングやレタースペーシング)の調整機能はありません。しかし、上記の効果や目的を実現するために、以下のような代替手段を検討する必要があります。
- 文字間隔が広めにデザインされたフォントを利用する
初めからレタースペーシングが広いフォントを採用することで、調整機能がなくても似た効果を得ることができます。 - 行間調整による全体のバランス改善
行間を適切に調整することで、文字が詰まって見える印象を緩和し、全体のレイアウトを整えることが可能です。 - 外部ツールとの連携
PowerPointやAdobe Illustrator、Photoshopなどで細かい文字間隔の調整を行い、その結果を画像としてGoogleスライドに挿入する方法も有効です。
このように、文字間隔の調整は単なる装飾だけでなく、情報伝達の効率やブランドの印象強化、さらには他資料との差別化といった多面的な効果をもたらします。適切な調整によって、デザイン全体の完成度を高め、視聴者に強い印象を残すことが可能になります。
次のセクションでは代替手段についてもう少し詳細を解説いたします。
3. 代替手法で実現する!Googleスライドの文字間隔デザイン改善テクニック
3-1. 文字間隔の広いフォントを活用する
直接の文字間隔調整はできなくても、初めから文字間隔が広く設計されたフォントを選ぶことで、見た目のゆとりを表現することが可能です。
- おすすめフォント例:
- Noto Sans JP、Zen Kaku Gothic、MS 明朝など
これらのフォントは、デフォルトで広めのレタースペーシングが設定されているため、Googleスライドの制約を補完できます。
- Noto Sans JP、Zen Kaku Gothic、MS 明朝など
- 実践のヒント:
- タイトルやキャッチコピーに採用すると、視認性とデザイン性の向上が期待できます。


3-2. 行間の調整で全体バランスを最適化する
直接の文字間隔調整ができなくても、行間設定を工夫することで、テキストブロック全体の印象を改善できます。
- 具体的な方法:
- 行間を1.2~1.5に設定することで、文字同士の詰まり感を緩和し、全体のバランスを整えます。
- 特に本文や箇条書きなど、長文テキストの場合は、行間の調整が読みやすさに直結します。
3-3. 外部ツールとの連携でカーニング調整を実現する
より精密な「カーニング」や「レタースペーシング」が必要な場合は、他のツールを活用して調整したテキストを画像として取り込む方法が効果的です。
- PowerPointの利用:
- PowerPointでは、文字間隔やカーニングの詳細な調整が可能です。調整後、テキストを画像やPDF形式でエクスポートし、Googleスライドに挿入することで、意図したデザインを再現できます。
- デザインツールの活用:
- Adobe IllustratorやPhotoshopなどでテキストを作成し、細部までカーニングを調整した後、画像として取り込む方法もあります。
ロゴやキャッチフレーズ、特にデザインのディテールが重要な部分に適用すると、プレゼンテーション全体のクオリティが大幅に向上します。アクセントとしてゆとりのあるデザインを採用したい場合は、このように外部で調整した画像を取り入れること目的を達成ことも可能です。
3-4.テキストを1文字ずつ配置する
かなり強引なやり方ですが、テキストを文章や単語単位で入力するのではなく、一文字に一つのテキストボックスを使用し、ゆとりのある配置を試すのも一つの手段としてあります。
かなりの工数が発生するので表紙や中表紙、もしくはロゴなどでしか活用は難しいでしょうが、一つのグラフィックデザインとして割り切れば必要工数と捉えることも可能です。
是非試してみてください。




4. まとめ
残念ながら、現時点(2025年2月)では、Googleスライド内で直接「文字間隔」や「カーニング(レタースペーシング)」を調整する機能は提供されていません。しかし、今回ご紹介した以下の代替手法を組み合わせることで、プロフェッショナルなデザインを実現できます。
- 文字間隔の広いフォントの活用:
初めからレタースペーシングが広く設計されたフォント(例:Klee One、Zen Kurenaido)を使用することで、直接調整できない制約を補います。 - 行間設定によるレイアウト改善:
行間を適切に調整することで、テキストの詰まり感を緩和し、全体のバランスを整え、読みやすさを向上させます。 - 外部ツールとの連携でカーニング調整:
PowerPointやAdobe製ツールで細かい文字間隔調整を行い、その結果を画像として取り込む方法で、デザインのディテールまで表現できます。
これらのテクニックを駆使することで、Googleスライドの制約を克服し、洗練されたプレゼンテーション資料を作成することが可能です。ぜひ、この記事で紹介した方法を実践し、あなたのデザイン力をさらに向上させてください。