PowerPointの行間調整で読みやすい資料を作成する完全ガイド

PowerPointで作成したプレゼン資料や企画書が、どこか読みづらく感じたことはありませんか?

なんか詰まりすぎていて情報がつかみにくい。
文字が多いってわけでもないと思うんだけどなぁ…



うーん、なんかスカスカだなぁ。
まとまりがなく、伝えたいポイントがぼやけてしまう…
こういった悩みは、多くのビジネスパーソンやプレゼンターが直面する共通の問題です。また



なんか見にくいんだよね
なんて上司に言われることもありませんか?
抽象的で困る指摘だと感じているかもしれませんが、見逃せない要素の可能性も大いにあります。
実際、行間の設定ひとつで資料の視認性や説得力は大きく変わります。この記事では、PowerPointにおける行間調整の基礎知識から、具体的な調整方法、その効果と推奨数値までを徹底網羅。あなたの資料作成における悩みを解決し、魅力的かつ効果的なプレゼンテーションを実現するための情報をご紹介します。
行間とは?—基礎知識と重要性
行間とは、文章内の各行の間隔(文章と文章の間/隙間)を指し、テキストの読みやすさや視覚的な印象に大きな影響を与えます。行間がスライド資料に与える効果は以下のとおりです。
適切な行間により、読者は各行をスムーズに追いやすくなります。狭すぎると文字がつまりすぎて、文字を認識しにくくなりますし、広すぎると文章のまとまりをつかみにくく内容の理解を妨げてしまいます。
行間が均等であることで、資料全体に統一感が生まれ、プロフェッショナルな印象を与えます。


PowerPointで行間を調整する方法
PowerPointでは、テキストボックス内の行間を簡単に変更できます。ここでは「行間を広げる方法」「行間を詰める方法」を具体的な手順とともにご紹介します。
行間を広げる方法—視認性向上のテクニック
文章が長い場合や、読み手に情報を正確に伝えたい場合、行間を広げることで視認性が向上します。シンプルなやり方から、少し細かいカスタマイズまで可能です。
・倍数を使った調整:既に設定されている倍数を選択するだけで行間の調整が可能です。
・固定値を使った調整:フォントサイズやスライド内の状況に合わせて数値を入力して細かな調整します。



倍数とは、行の高さは文字のサイズの何倍にするか!



固定値とは、具体的に数字を入れて何ptにするか!
「倍数」を使った行間調整の手順
テキストボックスを選択
対象のテキストを含むボックスをクリックします。


「ホーム」タブから「行間」アイコンをクリック


「倍数」を選択
メニューから「1.5倍」や「2倍」など、目的に合わせた行間を設定します。


「固定値」を使った行間調整の手順
テキストボックスを選択
対象のテキストを含むボックスを選びます。


「ホーム」タブから「行間」アイコンのとなりの下矢印をクリック


「行間」項目で「固定値」を選択、数値を入力します
行間の数値(例: 18pt)を直接入力し、設定を確定します。






段落前後の行間設定の違いとその効果
先程は文章単位での行間の調整方法をみてきましたが、より大きなまとまりである「段落」単位での行間調整もスライドの読みやすさにおいて重要な役割を持っています。
そもそも段落とは?
そもそも段落とは?という話ですが、PowerPointにおける「段落」とは、テキストボックス内でEnterキーを押すことで区切られるテキストのまとまりのことです。文章を書き始め、Enterキーを押して改行した瞬間に段落というひとかたまりの文章が出来上がります。
PowerPointでは、文章と文章の間の「行間」だけでなく「段落前」「段落後」の空間の設定も可能です。段落の前と後ろでは行間の持つ役割が異なりますが、文章やスライド全体のみやすさに関わってくるので抑えておきましょう。


段落間の行間設定の効果
段落前後の行間を設定することで文章はまとまり生み出し、スライド内の構成を視覚的に把握させることができます。また更に、前後の行間でも効果に違いがあります。
- 段落前の行間の持つ効果: 新しい段落が始まる前の余白を調整し、章の切れ目やセクションの区切りを明確にします。
- 段落後の行間の持つ効果: 段落終了後の余白を調整することで、情報のまとまりを維持できます。


段落間の調整方法
変更したい文章をクリックします


「ホーム」タブから「行間」アイコンのとなりの下矢印をクリック


「段落前」や「段落後」で数値を指定


適切な行間設定の重要性:読みやすさと美しさのバランス
不適切な行間設定の問題点—広すぎる行間に注意
文章の読みやすさを向上させるために行間を調整することは重要ですが、過度に広い行間は逆効果になる可能性があります。研究によると、行間が広すぎると文章の読みやすさが低下する傾向があります
例えば、フォントサイズ10ptに対して行間20ptというのは、多くの場合広すぎると考えられています。このような極端な行間設定は、以下のような問題を引き起こす可能性があります:
- 文章の一体感が失われる
- ページ全体のバランスが崩れ、視覚的な美しさが損なわれる
- 目の動きが不自然になり、読解速度が低下する
適切な行間を見つける
適切な行間は、フォントサイズや文章の長さ、デザイン全体のバランスなどを考慮して決定する必要があります。一般的には、フォントサイズの1.2〜1.8倍程度の行間が読みやすいとされていますが、具体的な状況に応じて調整することが大切です。
読者の皆様には、文章作成やデザイン作業の際に、行間設定に十分注意を払い、読みやすさと視覚的な美しさの両立を目指すことをお勧めします。適切な行間設定は、あなたのコンテンツの質を大きく向上させる可能性があります。
おすすめのPowerPoint行間設定
最後に資料作成における最適な行間設定をご紹介いたします。
1. 本文テキストの推奨行間
推奨行間:1.2倍〜1.5倍
たとえば、スライドの本文でフォントサイズが24ポイントの場合、
- 1.2倍の場合: 約29ポイント(24×1.2)
- 1.5倍の場合: 約36ポイント(24×1.5)
この範囲内に行間を設定すると、文字が詰まることなく、読みやすく、かつスライド全体のバランスも保ちやすくなります。
2. 箇条書きの推奨行間
推奨行間:1.2倍前後
箇条書きは各項目がはっきりと分かれていることが重要です。
たとえば、フォントサイズが18ポイントの場合は、
- 約22ポイント前後(18×1.2) が目安です。
ややコンパクトに設定することで、視線が自然に次の項目へ移り、ポイントが伝わりやすくなります。
3. タイトルや見出しの推奨行間
推奨行間:1.0倍〜1.2倍
タイトルや見出しは強調する役割があるので、少し詰め気味でも問題ありません。
たとえば、フォントサイズが32ポイントの場合、
- 1.0倍の場合: 32ポイント
- 1.2倍の場合: 約38ポイント(32×1.2)
タイトルはインパクトを与えるため、行間を狭めに設定して情報をコンパクトに見せるのが効果的です。
4. 引用文や補足説明の推奨行間
推奨行間:1.5倍〜2倍
引用文や補足説明など、本文とは別の情報として強調したい場合、
たとえばフォントサイズが20ポイントの場合、
- 1.5倍の場合: 約30ポイント
- 2倍の場合: 約40ポイント
行間を広くすることで、本文から視覚的に区別され、読みやすさや理解度が向上します。
もちろん、これらの数値はあくまで一般的な目安です。
実際には、使用しているフォントの種類やスライドのレイアウト、背景色、プレゼンテーションする環境(教室、会議室、大型スクリーンなど)によって最適な行間は変わることもありますので、スライドを作成した後は、実際の画面に表示してみて「読みやすいか」「情報が伝わっているか」を第三者視点で確認し、必要に応じて微調整することが大切です。
まとめ—行間調整で魅力的な資料を作成しよう
行間の調整は、PowerPoint資料の読みやすさや情報伝達において非常に重要な要素です。
- 倍数や固定値、段落前後の設定を上手に使い分け、資料全体のバランスを整えることで、視覚的に優れたプレゼンテーションが実現します。
ぜひ、今回ご紹介したテクニックと画像の活用例を参考に、あなたの資料作成に取り入れてみてください。